今回は、
「筆者がやっていた進級審査対策」
というテーマで書いていきます。
進級審査は1年間やってきたことのお披露目みたいなもので、同時に1年間の結果を突きつけられる場でもあります。
誰もがいい結果を求めているのは当然です。
そこで今回は日ナレに4年間通った僕が進級審査で意識したこと、やっていたことを書いていこうかと思います。
現役の日ナレ生の参考になればと思います。
また進級審査以外でもオーディション対策として役立つこともあるかと思いますので日ナレ生以外の方もぜひお読みください。
それではいってみましょう。
時間の感覚を磨いておく
時間の感覚を磨いておくのは非常に大事なことです。
具体的に言うと、ストップウォッチを見なくても今何秒くらい経ったかということを感覚で把握できるようにしておくということですね。
進級審査では「◯秒以内に◯◯をしなさい」という当日課題があったりします。
この◯秒以内というのはだいたい「30秒・1分・1分30秒」のどれかという場合が多いですね。
この時間は絶対で、時間を過ぎた場合は「時間です」と言われ強制的に終了させられます。
そこで演技中に今何秒くらいなのかを体感でわかるようにしておく必要があります。
これはオーディションやレッスンの自由演技を経験していくことでなんとなくわかるようになってきますが、中にはいまいち感覚を掴めない人もいるかと思います。
その感覚を掴むために僕が初めの頃やっていたこととして、好きな歌で秒の感覚を覚えるという方法があったりします。
邦楽でも童謡でもなんでもいいんですが、頭の中にイントロを含め、メロディと歌詞が完璧に入っている歌がみなさんの中にも必ず1曲はあるかと思います。
その曲で30秒や1分がどの場所なのかを覚えておけばおおよそこんな長さなのかなと身体に覚え込みやすくなります。
1つ例をあげると、YOASOBIの「夜に駆ける」がイントロが終わるくらいで30秒になってますね。
それぞれ1分、1分30秒と見ていくと、
・30秒:「沈むように〜♪」から「さよならだけだった〜♪」に入るくらい
・1分:「沈むように〜♪」から「いつだってチックタックと〜♪」に入るくらい
・1分30秒:「沈むように〜♪」から「忘れてしまいたくて〜♪」に入るくらい
となっています。
こういった歌で覚えようとすれば元から体感で時間の長さが入っているものなので、「〇秒はあのくらいの長さなんだな」と身体に覚え込みやすくなります。
まだ時間の感覚が掴めていない人はぜひ試してみてください。
緊張することへの対策
進級審査やオーディションなど、こういった大事なときに緊張してしまう人はいるかと思います。
僕もどんな対策をしてもやっぱり緊張がゼロになることはありませんでした。
自分の1年がかかっているんだから緊張して当然なんです。
本当にまったく緊張しない人は「本物の大物」か「何も考えていない人」なのかどちらかでしょう。
緊張はします。
なので緊張をするということを想定していろいろ練習しておきましょう。
特にミスした場合の立て直し方は徹底的にやっておくといいかと思います。
ミスを想定した練習は気分の中でおまもり的な働きをしてくれます。
1個ミスしても、ミスしたところから本筋に戻す道を作っておく。
そういう方法をたくさん持っているとミスしてもいいという気にもなれ、緊張が和らぎ、気持ちの面でもプラスになります。
いいこと尽くめなのでこれは練習のときに意識して取り入れてみてください。
いきなりスイッチを入れる瞬発力も磨いておく
進級審査は待ち時間も結構あります。
僕のときの審査順は名前順で、僕の名前はかなり後のほうだったので毎回かなり待たされることになりました。
じっとしたまま待たされると身体も固まってきて頭も働きにくくなり、瞬発力が落ちていきます。
そうなると演技にスッと入りにくかったり、口の動きが悪くなったりします。
ただ順番を変えることは当然できなかったので僕は対策として練習の休憩直後に本域で完璧にやるという練習を取り入れていました。
これはスイッチの切り替えの瞬発力を鍛えるもので日々練習しないとなかなか身につかないもののように感じましたね。
この瞬時のスイッチの切り替えは慣れていないと難しく、どこかでセリフを噛んだり、間違えたり、動きが鈍くなったりします。
スイッチのオンとオフの素早い切り替えは演者として必ず必要になる能力です。
こちらもぜひ練習に取り入れてみてください。
当日の衣装も非常に大事
衣装なんて演技と関係ないんだから気にする必要ないと思うのは非常にもったいないことです。
なぜなら衣装は自分の印象に関わることだからです。
例を上げると芸人さんです。
メイプル超合金のカズレーザーさんとかオードリーの春日さん、漫才師で言えば銀シャリさんなんか特徴的な衣装で舞台に出てますよね。
カズレーザーさんなら赤、春日さんならピンク、銀シャリさんなら青など、色の印象があり、その人の名前を見るだけで脳にその人がビジュアルとして浮かびやすくなります。
ただあの方たちは芸人さんとして特別なキャラクターでやってるから、僕らがそれをマネしろというわけではないですが、衣装で人目を惹くことは大事なことです。
どんな服を着ていても顔が整ったりしていて人の目を惹く容姿ならあまり特徴的な衣装でなくてもいいですが、ほとんどの人はそうではないと思います。
そのために少しでも個性を見せたり、審査員の印象に残すために衣装に気を使いましょうということですね。
小話として当時見ましたが、進級審査にナースのコスプレをして進級審査に挑んでいる人がいました(笑)
進級したかどうかはさて置き、これだけで確実に審査員に覚えてもらうことはできますよね。
どんな衣装を着ていけばいいのか
今はもしかしたら変わっている可能性もありますが、基本的に進級審査で演じる場所は黒い仕切りで仕切られてることが多いと思います。
その仕切りを背景に黒のジャケットやら着るとどうなるかわかりますか?
後ろのセットの色と被って目立ちにくくなります。
基本的には服装には黒と真逆の白の色は必ず取り入れたほうがいいかと思いますね。
また心理的なことだと赤や黄色も取り入れたほうがいいと思います。
よくスーパーなどの特売品の値札で黄色の紙に赤文字で書いてあるのをみかけませんか?
あれは心理的に人の目に入りやすく、購買意欲を高める色だから積極的に取り入れてるんです。
余裕があればこういった色の心理についても考えながら衣装を決めるのもいいかと思います。
自分がどういうキャラで売っていきたいのかも考える
色彩心理のことをお伝えしましたが、自分のキャラと合っていない色をチョイスするのは問題になってきます。
強面の顔の人がピンクの服なんて着てきたらふざけてるのかと思われる可能性もありますよね?(笑)
投稿が見つかりません。
自己PRの考え方と少し似てますが、自分が普段どんな人に見えているのかも気にすることが大事です。
そしてどんなふうに見えているかに合わせた衣装を着ることも大事です。
オーディションではイメージの一致みたいなものも大事なようで、事務所側がどういう方向性で売っていくのか、道筋を立てやすい印象を持たせるのも大事なんだそうです。
声質だったり顔の印象、体型なんかも含めて自分のキャラに合う衣装を用意することも意識しましょう。
台本がある課題の練習方法
基礎的なことですが、台本の覚え方なんかも僕がやっていた方法を書いておきます。
まず台本がある課題の場合、セリフを覚えるところからはじめるかと思います。
このセリフを覚える作業で僕がやっていたのは、
・いつどこでも確認できるように台本をスマホに撮ってとく
・台本を1/4ずつ小分けにして書いた小さなメモを常にポケットに入れておく
ということです。
僕は社会人として働きながら養成所に通っていたので、課題をこなす時間が足りませんでした。
そこで仕事の休憩中や、ちょっと空いた時間で台本と向き合えるように上に書いたようなことをしていましたね。
仕事にもよるかと思いますが、多くの仕事は1分〜2分くらいちょっと手が空くような時間だったり、頭を使わず身体だけ動かす流れ作業のような業務の時間ってありますよね?
そういうときにメモを見て覚えたり、覚えた台本を頭の中で読んでみて、忘れていたりする部分をメモを見て思い出すというようなことをしていましたね。
仕事中に何してるんだと思うかもしれませんが、当時はそういう時間も有効活用しないといけないと思うくらい時間が足りないと思っていたので隙間時間にこういうことをしていました。
まあちゃんと仕事に集中しなければいけないときはしっかりこなしていたので大目に見てほしいかなと思います(笑)
これは学生さんでも使える時間を無駄にしない方法かと思いますので時間に困っている人はぜひ試してほしいと思います。
動きと実際に声を出す練習
ある程度台本を頭の中で覚えることができたら動きと声を出す練習に入ります。
この練習は自宅でできる人ならそのまま自宅で練習して問題ないかと思いますが、僕はそうはいかなかったのでカラオケのフラット席でやっていることが多かったですね。
この動きを取り入れる練習の意味は、身体が動いていると覚えたセリフが出てこない場面が必ず出てくるのでそこの確認作業ということですね。
とりあえず決めた動きに合わせてセリフを軽く発しながらやってみるんです。
そこで頭では完璧に覚えたと思っていても身体を動かしていると必ずセリフが出てこなかったりする場面が出てきます。
そういった箇所は重点的に練習したり、ミスしたときのフォローの仕方を考えたりして身体に叩き込ませていくようにしていましたね。
本番と同じくらいの動き、声量を使って練習する
動きながらもセリフが飛ばなくなったら最後は本域の声と動きでやりましょう。
これもまた練習で軽くやるのと本域でやるのとでは微妙に体感が変わってきてセリフが飛んだりすることがあります。
その飛びやすい部分の最終チェックという感じで、毎回本番を想定してやるといいかと思います。
特にこの本域でやっているときにミスしてしまう箇所は本番でもミスしやすい場所だったりします。
僕の経験では頭でセリフを追っていたり、考えながらやればミスしないというレベルのままだと本番の緊張感ではミスしてしまうことがありました。
口と身体が勝手に動くというレベルまでやり、徹底的に身体に叩きこむようにしましょう。
ちなみに僕はレッスン生の3年目頃にはこういった練習にも慣れてきてしまったので、この本域のときにミスったら開けられなくなるタイプの貯金箱に100円ずつ入れるって決め事をつくってやってましたね(笑)
軽い緊張感も生まれ、いい集中力アップになりましたので僕と同じように慣れてきたり、練習で緊張感がほしい方は試してみてはどうでしょうか。
自己PRはそれぞれのバージョンを持っておく
自己PRは試験前に持ち時間を教えてもらうことが多いですが、場合によっては当日「何秒でお願いします」と伝えられることもあります。
その場合に備えて自己PRは30秒バージョン、1分バージョン、1分30秒バージョンと用意しておくといいかもしれません。
これは進級審査以外のオーディションでも使えるものになるので考えておいて損はないかと思います。
他のレッスン生と先出し課題の内容やイントネーションの確認はしておく
これは先出し課題の台本について、内容が合っているかの確認ということですね。
先出し課題はだいたい原作があって、その原作の一部を切り取ったところをやる場合が多かったりします。
原作をすべて読み込むのは当然ですが、細かい心理描写などは読んでいても掴みにくかったりするところもあります。
そこでそのキャラをどういうイメージで捉えているかを他のレッスン生と確認し合うということですね。
僕はお互いの意見が一致していればそれでいいし、お互いの捉え方が違っていれば考え直してみるということをしていましたね。
このイメージのズレをどう表現するかが個性の出所だったりする場合があるので、答えがなさそうな感じなら自分の思うままに演じてみるといいかと思います。
講師は課題の疑問に答えられないのでわからないイントネーションなどもレッスン生と確認し合い、合っているかを知っておくのもいいかと思います。
まとめ
以上になります。
進級審査は本当に1年やってきたことの集大成を見せる場です。
準備期間の約1ヶ月をがんばったくらいではどうにもならないこともありますが、この1ヶ月の緊張感と追い込みは演者としていろいろ成長させてくれることが僕にはありました。
悔いのないようにがんばってください。
では。
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